客観的に合理的な理由のない降格は無効です! 

<事例>
企業で管理職を務めるKは、普通の給与27万円に管理職手当が15万円、
忙しいながらも悪くない賃金をもらっていた。

ところが、Kは突然、降格を言い渡された。
理由を問い質しても、納得のいく回答は得られなかった。
そもそも理由は書面でなく、口頭での説明のみであった。

15万円の管理職手当がカットされると、
賃金が一気にそれまでの42万から27万にダウンする。
こんなことが許されるのだろうか?

<解説>
まず、労働基準法91条が以下のことを定めています。

労働基準法第91条

就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、
その減給は、一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え、
総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない。

簡単に言えば、1割以上の賃金カットはダメということです。

今回の設例では、42万→27万ですから、
実に35.7%もの賃金カットで、
一見違法であるように見えます。

しかし、この91条は、
今回のように明確に役職手当がいくらと定めてある場合に
役職を解かれることに伴う減給に対しては、
適用がないという風に解されています。

…じゃあ、甘んじてうけいれるしかないのでしょうか。

そうとも言い切れません。

懲戒処分を行うためには、まず就業規則上の根拠が必要であり、
さらに客観的合理性、社会的相当性、手続きの適切性
の各要件が満たされている必要があります。

これを本件について見るに、
客観的合理性の判断をするには情報が少なすぎますが、
少なくとも明白に「ある」とは言い難い状況のようです。

社会的相当性についても、いきなり35.7%もの賃金カットですから、
よほどの悪いことをKがしていないと、厳しいでしょう。

そして何よりいけないのが、手続きの適切性です。
唐突であり、理由も明白でなく、
弁明の機会も与えられていません。

というわけで、争えば勝てそうな気がしますね。

手続きの選択としては、月15万の賃金カットは痛すぎますから、
仮処分の申し立ては必須でしょう。
「管理職の地位にあることを確認する」仮処分が認められれば、
とりあえず本案の決着がつくまで
42万の給与を受けることができます。

今回の例では付加金は関係ないので、
ゆっくりじっくり争うなら訴訟、
早く終えたいなら労働審判がお勧めです。
普通は早く終わるほうがいいですかね。

それと、企業と争う場合は、基本的に「就業規則」は
必ずプリントアウトして手元に持っておくようにしてください。

さあ、突然に降格され、
ムカつくし生活上も困るしとお悩みのあなた。
とりあえず仮処分を申し立てて生活を安定させるとともに、
本案を争って、企業に間違いを思い知らせて、
あなたの名誉を回復しませんか?

長い人生、いろいろなことがあると思いますので、
まさかの時のために、法律には詳しくなっておいて損はないですよ。
そして、お気軽に司法書士にお尋ねください。

労働事件も司法書士にお任せください!

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