ワタミ1

森美菜さん=当時(26)=は、2008年4月、ワタミフードサービス(当時)に入社。
神奈川県内の店舗で月140時間以上にのぼる長時間残業の末、同年6月に自殺した。

この2か月間の労働は熾烈を極めた。

仕事が終わるのは終電の後。タクシーは使わせてもらえず、始発電車まで店内で過ごした。
休日も渡辺氏の著書を課題にしたリポートの作成に追われ、
深夜勤務を終えた翌日の早朝研修では、渡辺氏のメッセージをまとめた
240ページ以上に及ぶ「理念集」の暗記テストを課された。
満点を取らなければ次回の研修で追試が待っていたという。

全員参加が命じられた障害者施設でのボランティア研修も、休日扱いだった。

人事部が作成した内部資料によると、課題図書となった渡辺氏の著書の購入代金は、
ワタミがいったん立て替えた上で、給与から控除すると明記されていた。
美菜さんを含む新入社員全員に、強制的に買わせていたというわけだ。

「理念集」には、「365日24時間死ぬまで働け」という表現もあった。
(ワタミは2014年5月、遺族の心情を察した結果として、
この文言を削除したと発表している。)

2012年2月に労災と認定され、2013年12月に
父、豪さん(67)と母、祐子さん(61)が会社側に
約1億5300万円の損害賠償を求めて提訴した。

ワタミ側は当初、請求棄却を求めて争った。
2014年3月の第1回口頭弁論には創業者で当時社長だった渡辺美樹参院議員(56)も出廷。
「道義的責任を重く受け止める」と述べる一方、
「法的責任の見解相違については司法の判断を仰ぐ」として、徹底抗戦の構えを見せていた。

給与の未払いや天引きは明らかに違法なのだが、
研修や課題提出について、ワタミ側は当初、美菜さんの両親に対し、
業務とは異なる“自己啓発”だと説明していた。
あたかも美菜さんが自主的に取り組んだことで、会社が強制したのではないと強弁した。

(つづく)

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