ワタミ4

しかし。
これほど悲しい基金が他にあるだろうか。

ブラック企業により尊い命が奪われた悲しさ。

自殺は覚悟を決めて飛び降りたりすると思われがちだが、それは違う。
美菜さんの鞄の中からは亡くなる直前に買ったシャンプーや
目覚まし時計などのレシートが発見されている。
美菜さんは明日も明後日も働こうと睡眠不足の朦朧とした意識の中で、
結果そうなってしまったのだ。
死ぬほど辛いならその前に辞めれば良かった言う人がよくいますが、
周りがみんな同じような働き方をしている中で自分だけ辞められない。
まじめな人ほどそうだろう。
私のように即行やめて不真面目にフリーターや自営業ができる人はむしろ少数だ。
それぐらい声を上げにくい職場環境だったのだ。

基金が使われるたびに嫌なことを思い出してしまうであろうご両親の悲しさ。

このような基金が必要であるほどに世にブラック企業がまだまだ蔓延っているという悲しさ。

そして、最も言いたい悲しさは、
こんな辛い遺族に基金を創設させるような、国と行政の不甲斐なさだ。

こういった基金があること自体が政治や行政の失敗であり、敗北であることの証左だ。
例えて言うなら、今回の基金の存在は警察があてにならないから
仕方なく自警団を作ったようなものだ。
先進国を名乗るのが恥ずかしくなる深刻な状況だ。

基金設立の意思は尊い。
しかし、本来はこのような基金が必要の無い世界であるべきだ。

1日も早くそういう世の中が来るように。
すべてのブラック企業・ブラックバイトが消えてなくなりますように。

自殺をする前に、司法書士をお訪ねください。

最後に、和解成立を受けた記者会見での、母の祐子さんの言葉を引用します。

「できることなら時間を戻して、
ワタミに就職することをなんとしても止めておくべきだった。
生きているうちに助けてやれなかった後悔は、死ぬまで続く」

この思いが、熱い信念につながっているのでしょう。

最後になりましたが、亡くなられた美菜さんとご両親、ご家族に心からの哀悼の意を表します。
甚だ微力ながらブラック企業との戦いを支援する目的で、
当連載記事を書かせていただきました。

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