親子で語彙読解力検定 父の1級体験記

語彙読解力検定の最大の欠点は、問題が回収されてしまう点だ。
そこで、1級の体験記を記しますのでぜひ参考にしてください。

<要旨>
・公式テキストや巷の噂に比べると、低い難度となっている。
・「適切な選択肢はない」という6つめの肢は存在せず、
すべて五肢択一問題となっている。
・形式・分野ともに良調整がなされ、バランスのよい試験になっている印象。

<詳細>
1 辞書語彙 25題
「鬼の霍乱」「面映ゆい」「やにさがる」「そろばんを弾く」
など、割と日常でも使う語も多く出題され、
1級の割には易しい印象。
公式テキストや巷の噂に比べると大幅に易化した。

四字熟語、カタカナ語はそれぞれ1題ずつ出題。

公式テキストにある「5つの四字熟語から意味の異なるものを選ぶ」
のような特殊な設問は存在せず、
準1級と同じ「語句の意味を選ぶ」「語句が正しく使われた例文を選ぶ」
「その意味の語句を選ぶ」「短い文章の空欄に入る語句を選ぶ」
形式であった。

ごくわずか、公式テキストからの出題も見られた。
「嚆矢」「畢生」など。

2 新聞語彙 32題
「監察医」「障害者インターナショナル」「ISDS条項」「グレーゾーン事態」
「特別法廷(ハンセン病)」「インターネット上の各種広告」「脳死判定」
「重力波」「さくらリポート」など。

「語句を正しく説明しているものを選ぶ」という形式が多く、
単にその語を知っているだけでは不十分で、
深い知識がないと解けない工夫された設問が多い。

そんなに最新のニュースばかりが出題されているわけでもない。
例えば、今年4月に「障害者差別解消法」が施行されたが、
出題されたのは「障害者インターナショナル」という、
1981年に発足した組織の説明を正しく選ぶというもの。

そういう意味では、ニュースの「周辺部分」の知識が
広く深く問われる厳しい試験である。

公式テキストからの出題は皆無。(話題が古すぎて当然といえば当然である)

3 読解 18題(マーク数25)

全3問。

1問めは、抽象度の高い論説文。小問8題。
読み易くはないが、センター試験レベルの論説文が読める力があればそこまで難解ではない。

2問めは、各国の食料自給率に関するグラフを含む論説文。小問7題。
うち4題が文中に入る語句を選ぶもの、
1題は文中最後の部分に入る、取るべき政策(作者の結論)を選ぶもの、
1題は各グラフが示す国と穀物を選ぶもの、
と、大半が空所補充形式というのが特徴的であった。

全3問の読解問題の中ではとび抜けて簡単で、
ほとんどサービス問題である。

3問めは、山田昌弘氏の
「なぜ日本は若者に冷酷なのか そして下降移動社会が到来する」
という文章からの出題。
山田昌弘氏といえば家族研究や「婚活」という語の発案者としても有名で、
読んだことのあるという方も多かったのではないか。

小問3題。ただし、うち2つが整序問題であり、順序通りマークせよという形式のため
マーク数は全部で10。(ただし、すべて正答で得点と思われる)

問1が、文中の段落4つを並び替えるもの。

問2が、5つの選択肢の現象を本文を参考に日本で起きた順に並び替えるもの。

問3が、本文で述べられていることの具体例を選ぶ問題。

個人的に、日ごろから持っている問題意識に沿う文章だったので
とても読みやすくおもしろかった。
帰宅後すぐにアマゾンで注文した(笑)

そのことを差っ引いても、論説文としては易しいほうだと思う。
なんせ、一般の方向けに書かれた本からの出題である。

<結論・攻略法>
・近々1級の新しい公式テキストが出るという噂がある。

・1級試験の在り方が議論されたのだろうか、
全体として、特に辞書語彙がかなり易化している。
1級だけでなく準1級の公式テキストをしっかりやっておくことも有用と思われる。
私のお勧めは、漢字検定準1級で出題される語句の意味をきちんと学習しておくこと。
特に「分野別問題集」の四字熟語や対義語・類義語、などをやっておくとよいだろう。

・新聞語彙はニュースの周辺知識が広く深く問われる。
今日から次の試験までの朝日新聞をよく読んで、
来年1月に出るであろう「朝日キーワード2018」を熟読するとよいだろう。
用語だけを覚えても無意味。
用語についての正確な理解と、周辺知識の広さ深さが決め手となる。
ニュースというよりも、むしろ一般常識を広く深く学ぶつもりで勉強するのが良い。

・たぶん読解問題が全体の中で最も易しいので、
ここでいくつも間違えていると合格は厳しい。
苦手意識のある方は出口先生の「レベル別問題集」で演習することをお勧めする。
また、辞書語彙をちゃんと勉強することが読解力にもつながる。

<最後に>
以上の通り、1級は以前に比べると、難度・形式・出題分野等が全体的に調整され、
目指すに値する、バランスの良い試験になっている。
2017年の出題もこうであることを強く望む。

語彙力と読解力は、人間が生きていくのに必要な基本的な力である。
つまり、この2つの力さえあれば、知らないことも自分で調べることができる。
親や先生は、ぜひ子どもたちにふさわしい級を受けさせてやると良いと思う。

そして大人は、特に知をウリにする職に就くのであるならば、
ぜひ1級を目指してほしい。

この記事が、語彙読解力検定1級を目指す方にとって少しでも参考になれば幸甚です。

お互いにがんばりましょう。

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