本当の意味で法的に成熟した社会とは

私は、依頼者の代わりに代理人として
司法書士や弁護士が何でもかんでもやってしまうことが
本人にとって必ずしも良いとは思わない。

通常、市民が弁護士に依頼をした場合、
訴訟から交渉から一切合切を弁護士に任せてしまい、本人は何もせず、
たまに弁護士からの報告を聞くだけ、ということになる。

だが果たしてそれでいいのだろうか?

法律家にとって、引き受けた事件は、もちろん誠心誠意全力を尽くして対応するが、
しかしどうしても他人事なのである。

あくまでも依頼者自身の問題なのであり、当事者は依頼者(と相手方)しかいないのだ。
自分自身の身に起きた問題、そう考えれば、全部を弁護士任せにするのではなく、
相手方や裁判官はどんな表情でどんなことを言っているのか、
自分自身で見聞きしたい、と考えるのが普通ではないだろうか。

その意味で、司法書士の本人訴訟支援という方法は、実は最適なのである。
専門家の援助・助言を受けながら、あくまでも依頼者自身が主人公として、
自分自身が主体的に物事の解決に当たることができるのである。

それに、実際には弁護士といえども全部を任せることはできない。
当事者尋問や和解期日など、本人同行を裁判所に命じられる機会はある。
複雑な事件、特に家事事件であれば必ず本人同行はある。
労働審判にいたっては、すべての期日において本人同行を要求される。

であれば、当事者尋問の日にだけ慣れない裁判所に出向くのと、
日頃から期日の度に裁判所に足を運び、これまでにどのような審理がなされてきたか、
相手方はどんな言動を取ってきたのかを熟知して、
裁判官とも顔見知りになっている状態で尋問を受けるのと、

どちらが有利かは言うまでもない。

私は、全部代理人にお任せするのではなくて、
基本的には自分の問題だから自分が解決しようとして、
市民がある程度の基本的な法的素養を持って、
司法書士からは専門的な文書作成とアドバイスだけもらって自ら訴訟活動をする、

そんな本人訴訟支援のスタイルがスタンダードになっている社会。

それこそが、本当の意味で法的に成熟した社会だと思うのです。

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