噂を信じちゃいけないよ ~裁判のコスト 時間篇1~

裁判にはそんなにお金がかからない、ってところまで、
一応納得していただけたことにして話を続けます。

次は時間について。

これはですねえ、確かに、
我が国の訴訟は三審制をとってますから、

第一審判決 → 控訴されて控訴審、判決 → 上告されて上告審、判決

とかやっていると、長いもので10年くらいかかるものもあります。

11歳の少年の蹴ったボールが校外の道路に飛び出てしまい、

スクーターに乗った高齢者が転倒して亡くなった事件がありました。

損害賠償の義務があるかが最高裁まで争われました。

最高裁で、少年側が逆転勝訴しました。

この訴訟は、最終的な結論が出るまでに10年以上がかかり、
当時小学生だったXも成人してしまっていました。

故意ではないにしろ、自分の行為により、人が亡くなった。
それだけでもショックなのに、
訴えられて、その裁判が、思春期の多感な11歳から成人までという
長期に渡り、親権者が被告であり続ける。
その、人格形成に尋常でないほどの影響をもたらしたことは
容易に想像できるのであり、

なんというか、かける言葉がみつかりません。

父親が最高裁判決後のインタビューで、

「(要約)私たち家族にとって長い10年だった。
もちろんご遺族に対する申し訳ないという気持ちは今もある。
しかし、法律の難しいことはよくわからないが、
小学生が校庭でサッカーの練習をすることが、
そんなに責められなければならない行為なのか。

ずっと自問自答しているうちに、息子も成人式を迎えた。
第一審や控訴審の(敗訴)判決を聞くのは本当に辛かった」

と語っています。
太字の部分が偽らざる本音だと思います。

私も最高裁の判断は妥当だと思います。

この小学校は、公立小学校でした。
私はむしろ、高齢者の遺族(の代理人弁護士)は、
少年(の親権者)ではなくて、
この小学校がある市を被告とすべきではなかったのかなあと思います。
(ちなみに愛媛県今治市です。)

この事件で責任を取るべき存在がいるとすれば、
それは小学校の校庭でサッカーの練習をしていた少年(の親権者)ではなく、

・サッカーゴールを門に向けて設置していた
・たった1.2mの高さのネットフェンスしか設置していなかった

等、行政庁ではないでしょうか?

…すみません、話が横道に逸れました。

…しかし、こういう裁判はごくごく例外です。
上告には理由が必要なので、
事件が最高裁に持ち込まれるなんてことはめったに起こらないのです。

次回以降、もっと普通の裁判について、所要期間を考察していきます!

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